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白生地のなりたち
3.撚糸・機織撚糸で変わる白生地の趣は機屋のこだわり
織物は経糸と緯糸を一定の規則によって交錯してつくられます。経糸、緯糸ともに必要な糸の太さに合糸され、経糸は機に仕掛けるための整経という作業を、緯糸には撚糸という作業が行われます。撚糸は戦国時代に中国から伝わった技術で、糸の太さや織物の種類に応じて、1mあたり数千回の撚りがかけられ、これがちりめん独特の細かい凹凸(シボ)をつくります。発色を良くし、着た時のシワを防ぎ、しっとりとした風合いやさらりとした肌触りが特徴です。
大塚の白生地は、水で潤しながら右・左両方に強い撚りをかける八丁撚糸機でつくられた糸を使用しており、この技術は日本だけの、しかも和装独特の技術です。
撚糸〜機織の主な工程
生糸繊度偏差、節の少ない生糸を選択
糸繰り綛になっている生糸を糸枠に巻く作業この工程で製品の完成度に影響する
経糸工程
整経枠に巻き取った糸を一定の張力と長さで整え、織物の所要の長さと幅に揃える。織機に仕掛けるための準備作業で、ワープビームに30〜50反分が巻き取られる
緯糸工程
合糸緯糸を所定の太さにするため、生糸の本数を合わせる
緯たき糸のセリシンを半溶けさせるために、熱湯でたく。撚糸をしやすくする
湿式八丁撚糸水を落としながら、1mあたり3,000〜4,000回の強い撚りをかける。シボのもとをつくる
乾式イタリー撚糸八丁撚糸などで撚った糸をさらに撚り合わせて緯糸を安定させる
上管捲機織り前に緯糸を上管に巻く工程
製織(機織り)経糸を織機にかけ、経糸の開口部に緯糸をシャトル(杼)で通して織り上げる。紋が入った白生地は、ジャカードという装置を使用し、紋紙の指示パターンに従って織られる
節取り・生機検査織りあがった生地(生機)を、節などを取りながら検査する。検査後精練へ