Special Contents 白生地のなりたち

1.養蚕天然繊維の宝石をつくる最小の家畜

カイコ 繭

 蚕の小さなカラダから吐き出される糸は約1.2㎞ともいわれます。眠りと脱皮を繰り返し、繭を汚さないように一生に一度だけの尿を出して繭を作りはじめます。卵をとる以外の蚕は、蛹になると繭から出ることなく殺蛹されて一生を終えます。

 生糸はいわば蚕の命を犠牲にして得られるものです。品質が良くより長い糸を求めて、古くから品種改良が行われてきた小さな家畜です。そのため蚕は一頭二頭と数えられます。

 養蚕農家は蚕のエサとなる桑畑の手入れも行います。今日、日本では養蚕農家の数は激減し、「桑の実を小籠に摘んだ…」と唄われた桑の姿も見られなくなってしまいました。

蚕の一生(春蚕の場合)

4日:掃立/孵化/一齢一眠脱皮→3.5日:二齢二眠脱皮→4.5日:三齢三眠脱皮→6日:四齢四眠脱皮→8日:五齢熟蚕営繭→6日:蛹化→10日:蛹この間に製糸会社へ運ばれる羽化→5日:蛾/産卵*卵を取る場合

桑について

先端の葉は給桑しない(稚蚕の間は柔らか過ぎて病気になりやすい)、、一齢用(葉を細かく刻んで給桑)、二齢用(葉を刻んで給桑)、三齢用(葉のみ給桑)、青い葉は固いので与えない、株元、桑株
稚蚕用は桑摘みツメという用具を使って摘む。三齢用の桑の目安は、枝の色が次第に灰色に変わりつつある部分から摘む。四齢からは条桑(枝ごと)で与える